「競馬で血統って大事なの?」
「どの血統が強い馬なの?」
「血統の違いがわからない」
競馬の血統について、上記のように思われたことはないでしょうか?
そもそも血統とは、両親の特徴を把握した上で、勝ち切れる馬を見出す予想方法のことです。
現役時代に活躍した両親がいる競走馬は能力が高く生まれる確率が高いのです。
競馬予想をする上では様々な要素が含まれますが、血統を知るということはその中でもで非常に重要な要素になってきます。
血統を駆使して予想をされる方も多く、同じ公営競技の競輪や競艇には存在しない予想スタイルです。
今回は、血統をどのように予想に活かすのか解説していきます。
血統が重要だと言われている2つの理由
まず、競馬で血統が重要視されている2つの理由を説明します。
・競馬はブラッドスポーツ
・祖先の特徴を受けやすい
1つずつ解説していきます。
競馬はブラッドスポーツ
1つ目の理由として、競馬はブラッドスポーツと呼ばれています。
統計上でも競馬に血統は確実に影響すると断言してもいいのです。
血統評論家や血統予想家が存在するほどであり、競馬は血のスポーツ(ブラッドスポーツ)と呼ばれるようになりました。
祖先の特徴を受けやすい
2つ目の理由として、競走馬は祖先の特徴を受けやすい生き物であることがあげられます。
現役時代に活躍した馬であればあるほど、産駒にもその特徴が引き継がれやすいのです。
しかし、全ての馬が親の特徴を引き継ぐわけではないので注意が必要です。
血統で見るべきポイント
続いて、血統を見る際のポイントを紹介します。
・父馬
・母馬
・母馬の父馬
1つずつ解説していきます。
父馬
最初に注目するのが、父馬です。
父馬は別名種牡馬と呼ばれ、人気のある馬であればあるほど1年間で100頭以上の牝馬と交配しています。
交配が多いということは、それだけ数多くの産駒が誕生しており、種牡馬のデータがまとめやすくなっています。
種牡馬ごとに特徴をまとめたデータも数多く存在し、父馬の特徴を知ることが可能です。
母馬
母馬も重要なポイントです。
競走馬は両親の能力を引き継ぎやすく、母馬がG1のタイトルを手にしていればそれだけで注目が集まります。
母馬が現役時代にどのような活躍をしていたのか、確認するようにしましょう。
また、兄弟がいる競走馬の場合は、兄弟も合わせて確認しておくと信憑性の高い情報につながります。
母馬の父馬
両親の次に注目したいのが、母馬の父馬がどのような競走馬であるかということです。
競走馬は両親の次に母馬の父馬の特徴を引き継ぎやすい傾向があります。
母馬の父馬は父馬の次に特徴を引き継ぐ影響が強く、父馬の特徴と母馬の父馬の特徴を把握することで、どのような産駒なのか特徴を知ることができます。
【基本】三代始祖について
続いて、競馬の三代始祖について解説します。
サラブレッドには三代始祖と呼ばれる祖先がいます。
・バイアリーターク
・ゴドルフィンアラビアン
・ダーレーアラビアン
現代で活躍しているほぼ全ての馬のサイアーライン(父系の祖先)を巡ると上記の3頭に辿り着きます。
この3頭のことを三代始祖と呼びます。
それぞれ解説していきます。
バイアリーターク
バイアリータークの誕生年は1679年頃と言われており、イギリスのロバート・バイアリー大佐が名付け親とされています。
ロバート・バイアリー大佐はバイアリータークを自身の軍馬として使用し、多くの殊勲を挙げました。
三代始祖と呼ばれるバイアリータークの走りは素晴らしく、戦場でも自慢のスピードで活躍し、軍馬の競走でも最優秀賞を獲得したとされています。
ゴドルフィンアラビアン
1724年に生まれたゴドルフィンアラビアンは水車を引く馬だったとされています。
現在の競馬の90%を占めるエクリプスの母父としても知られており、自身の系統からマッチョムが誕生し、マッチョム形の祖先として発展しました。
アメリカで歴史的名馬のマンノウォーが誕生し、現在はその子孫を中心に系統しています。
ダーレーアラビアン
詳細は不明ですが、生誕は1700年頃とされているのがダーレーアラビアンです。
シリアの遊牧民アラゼー族によって生産された純血アラブ種という見方が有力とされています。
現在のサラブレッドの父血統を遡ると9割以上はダーレーアラビアンに辿り着くとされており、世界的に血統が反映されています。
【大系統】ダーレーアラビアンの血統シェア
先ほど「三代始祖」について解説しましたが、その子孫たちの現在の血統シェアの9割がダーレーアラビアン系ということがわかりました。
そんなダーレーアラビアン系の中でも、血統シェアTOP3に入る大系統を紹介します。
・ノーザンサンダー系
・ミスタープロスペクター系
・サンデーサイレンス系
1つずつ解説していきます。
ノーザンサンダー系
ノーザンサンダー系の特徴はパワー系が多いということです。
力のいる馬場や舞台で力を発揮する競走馬が多く、代表的なクロフネ産駒やハービンジャー産駒はノーザーンサンダー系に当たります。
ノーザンサンダーの影響力は世界中に広まっており、日本でもノーザンサンダーの仔であるノーザンテーストが種牡馬として活躍しています。
ミスタープロスペクター系
ミスタープロスペクター系の特徴は、芝コースの短距離と中距離からダート全般を幅広く得意とする競走馬が多く、数多くの舞台で活躍できる凡庸性の高い競走馬です。
ミスタープロスペクターの祖父であるネイティヴサンダーは22戦21勝という成績を残した名馬であり、ミスタープロスペクターは種牡馬になって大車輪の活躍を見せています。
ミスタープロスペクターの仔であるキングマンボはダービー馬として有名なキングカメハメハを輩出しています。
このキングカメハメハの仔には短距離最強とも言われているロードカナロアや中距離馬のデュラメンテ・ダート馬のホッコータルマエなどがいて、オールラウンダーの特徴を見せています。
サンデーサイレンス系
サンデーサイレンス系の特徴は芝コースを得意としている競走馬が多いということ。
ダートや短距離は少し苦手としている傾向があり、ダートが主流の地方競馬では他の競走馬が活躍するケースが多いです。
サンデーサイレンスは母国アメリカでは種牡馬としての評価が低く、日本にやってきて初年度産駒からG1馬を多く輩出することになります。
かの有名なディープインパクトを輩出しており、ポストサンデーサイレンスとしてはダイワメジャーやステイゴールド、ハーツクライなどが後を継ぎ、現在もサンデーサイレンスの血を引く競走馬が数多く走っています。
血統から見て活躍が期待される現役競走馬
続いて、血統から見て今後活躍が期待される現役競走馬を紹介します。
・タイトルホルダー
・アスクビクターモア
・ジャスティンパレス
1頭ずつ紹介します。
タイトルホルダー
父のドゥラメンテ、母父のモティヴェーターとダービー馬であることから、タイトルホルダーという名前がつけられました。
その血統から、「自分は絶対王者である」というような振る舞いを見せているのが特徴です。
戦績は14戦7勝で、今年の2023年には5歳になるので、今後どのような活躍をしてくれるのか注目していきたい競走馬です。
アスクビクターモア
あのディープインパクトを父に持つのがアスクビクターモアです。
アスクビクターモアは2戦目の「中山2歳未勝利戦」で初勝利を挙げ、現在12戦4勝を記録しています。
4歳になった2023年はさらなる飛躍を期待し、全体的にパワーアップも期待できそうです。
ジャスティンパレス
ジャスティンパレスも上記のアスクビクターモア同様、偉大な名馬ディープインパクトを父に持つ競走馬です。
デビュー戦を勝利で飾ったジャスティンパレスは2戦目の「黄菊賞」も勝利し連勝を飾っています。
通算戦績は11戦5勝で、2023年現在は既に2勝をあげており、これからの活躍を期待できる競走馬であるのに違いありません。
血統を活かした予想方法
これまで血統について紹介してきましたが、実際に予想に活かすにはどうすればいいのか解説します。
馬柱と血統傾向のデータを使った予想方法が一般的です。
競馬新聞やネット上で馬柱は確認することができますが、父馬と母馬の名前と種牡馬の携行データを照らし合わせて優劣をつけます。
得意な種牡馬なのか不得意の種牡馬なのかを確認することで、人気馬ではない穴場馬が上位に食い込むかの牛も十分にありえます。
馬柱と血統傾向データは確認するようにしましょう。
覚えておきたい血統用語
最後に、血統には数多くの専門用語があります。
全てを覚える必要はないので、代表的な用語を3つ紹介します。
・インブリード
・アウトブリード
・ニックス
1つずつ紹介します。
インブリード
インブリードとは近親配合の事で、4代前・5代前に同じ両親が重なることです。
サラブレッドの歴史を見てみると、近親配合を繰り返して名馬が誕生しています。
インブリードは血統表を見て確認することができます。
引用元:https://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102636/
上記のように、netkeiba.comで5代血統表を確認することができます。
こちらは三冠馬のオルフェーヴルの血統表です。
血統表を見ると母馬の3代前と父馬の4代前にノーザンテーストがいるのがわかるかと思います。
このことから、オルフェーヴルはノーザンテーストのインブリードであるということがわかります。
アウトブリード
アウトブリードは上記で解説したインブリードとは逆の異系交配で、4代前もしくは5代前の血統表に同一する馬がいない場合のことを言います。
アウトブリードは身体が丈夫になりやすく、精神的に落ち着きやすい特徴があります。
引用元:https://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102636/
上記は無敗の三冠馬獲得のディープインパクトの血統表です。
ディープインパクトは近親配合が行われておらず、アウトブリードであることがわかります。
ニックス
ニックスとは、特定の高配当で生まれた馬が活躍する傾向が強くなる組み合わせのことです。
通称ステマ配合とも言われている組み合わせは、オルフェーヴルやゴールドシップなどの名馬を多数輩出しています。
2020年代では、イクイノックスやディープポンドなどがニックスで誕生しています。
まとめ
今回は競艇や競輪にはない競馬ならではの血統について解説しました。
競馬はブラッドスポーツと呼ばれるほど血統が重要視されており、競走馬は祖先の特徴を受け継ぎやすい生き物なのです。
特に父馬と母馬の父馬の特徴を受けやすく、予想する上でも血統を意識することで的中する確率を上げることが可能になるかもしれません。
血統は知れば知るほど奥が深く、次々に種牡馬入りする馬がいることから半永久的に更新されていく要素になるので、飽きることのない予想ということがわかったかと思います。
名馬と呼ばれる競走馬にも祖先や仔がいて、今後活躍する競走馬の血統にも注目しておくと現役名馬に出会えるかも知れませんね。
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